今や『ノロイ』などですっかり定番となった、擬似ドキュメンタリー形式による和製ホラー映画の元祖とも言える作品。

『ノロイ』に登場する魔物【かぐたば】は、取り憑いた人間の精神をじわりじわりと崩壊させていくタイプだったが、この映画の幽霊は、車を爆発させたり、撮影のセットをメチャクチャにしたりと大暴れだ。

しかし、そんな派手な演出の割には、復讐の動機がたんなる「痴情のもつれ」というのは、あんまりにも貧弱すぎやしないか。

劇中に登場するアイドルの曲名がクトゥルフ神話に引っかけてあったり(『ラブ・クラフト』『インスマスにさよなら』)、ベテランの竹中直人を起用しながらあえて後姿でしか映さなかったりと、制作者の妙なこだわりが印象に残る作品。だが、肝心の幽霊に魅力がなければ、ホラー映画として及第点をあげるわけにはいかない。

何より、物語のキーとなる劇中歌を、アイドル本人でなく、レポーター役の主演女優に歌わせているというのは、的を外しているとしか言いようがない。「アイドル映画」としてすら成立していないのだ。