まず、邦題に偽りアリ。たしかにジャケットでは女子高生がチェーンソーを構えているが、実際の映画にそんなシーンは出てこない(ということは、ジャケットにも偽りアリ)。

まぁ、かといって原題の”SCREAM BLOODY MURDER” ではありきたりでインパクトがないからだろうけど。レンタル・ビデオ屋で見かけたら、とりあえず手に取ってみたくなるタイトルではあるから、これはこれでナイスなネーミングと言えるかもしれない。

スケベな女子高生たちを乗せたワゴンが、男漁りのダンス・パーティーに向かう途中、砂漠の真ん中で故障してしまう。周りには民家も店も何もない。

途方に暮れていると、そこへ男が通りかかる。男は見るからにヤバそうな感じだが、車を修理してくれるというので、とりあえず彼が営んでいるという整備工場まで行くことになった。

修理が終わるまで工場で待つことになったが、早くしないとパーティーに間に合わない。外部と連絡を取りたいが、なんと工場には電話がないという。

他に方法はないかと、暗闇の工場を彷徨う女子高生たち。しかし、謎の人物の手によって、彼女たちは一人一人、惨たらしい死を遂げていく。

いったい犯人は誰なのか? 彼女たちは生還できるのか? 人里離れた僻地で、得体の知れない男と過ごす一夜。迫り来る死の恐怖。隔離された状況の中、互いに不信感が募っていく――。

ホラー映画の常套パターンをなぞってはいるが、緊迫感なんて微塵もない。SEXのことしか頭にないバカ女子高生たちが、ベタベタの緩いギャグを飛ばしながら、賑やかに仲間割れしている様子は、NHKのEテレでやってる海外コメディのノリと変わらない。

また、彼女たちの死に様もマヌケ。ポンプでお腹を破裂させられたり、腕をビヨーンと引き伸ばされたり。どう考えても、マトモな映画を作ろうとはしていない。

見所の一つである「レズプレイ」も、とりあえずお約束だから入れてみましたといったふうで、美しさもエロさも伝わってこないやっつけ仕事である。

犯人の正体もじつにバカバカしい。しかも、その取ってつけたようなオチはストーリーと全然結びついていないため、そこに至るまでの経緯もすべて無意味なものになっている。まぁ、こんな映画作る連中に何言っても無駄か。

(2016年3月8日 加筆修正)