Posts tagged "洋画"

FROM HELL IT CAME|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ MISFITSを例にとるまでもなく、パンク・ロックのバンドは時折、B級ホラー映画のタイトルから曲名を取ったり、またその1シーンをアルバムのジャケットやフライヤーのデザインにしたりする。B級ホラー特有の胡散臭さ、下劣な表現、チープな味わいは、たしかにパンク・ロックと通じるものがある。 私が、この『FROM HELL IT CAME』という、まっとうな映画ファンの間ではまず話題に上らないような作品 […]

吸血処女イレーナ 鮮血のエクスタシー|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 霧の立ち込める森の彼方から、素肌に黒いマントとベルト、ロング・ブーツを身に着けただけの美女が、まっすぐに歩み寄ってくる――。 豊かな黒髪にグラマーな肢体、濃厚なアンダーヘア、そしてアンニュイな表情が色気を醸し出すこの女性こそ、本作のヒロインである女吸血鬼【イレーナ】だ。 『ヴァンピロス・レスボス』と対にして語られる、ジェス・フランコ監督の女吸血鬼映画。『ヴァンピロス・レスボス』でタイトルど […]

ファウスト|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ モノクロの無声映画、と言うと取っ付きにくい印象があるけれど、こと怪奇映画というジャンルにおいては有利な面もある。 ドイツ表現主義の最高峰、映画史上に残る名作であると同時に、怪奇映画の古典でもある『ファウスト』。 CGなどなかった1926年の作品なので全て手作りのセットと合成映像で撮られているのだが、影と煙を多用した重厚かつミステリアスな演出は、まさに白と黒のシンプルな色彩世界でこそ引き立つも […]

呪われたレイプ魔|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ フランスの耽美映像作家ジャン・ローランは、未熟ながらも彼以外には作りえない、ユニークな作風で知られている。 『呪われたレイプ魔』もその一つ。 悪党どもにレイプされた挙げ句、殺された仲良し女の子二人組が、悪魔に肉体を捧げることで現世に復活し、復讐を試みる――こうして粗筋を書いてるだけで、なんだかゾクゾクしてくる。 しかし冒頭の、悪党どものキャラクター説明なんて、明らかに不要だ。 他にも、悪党ど […]

ドーターズ・オブ・ドラキュラ 吸血淫乱姉妹|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ ヒッチハイクしてつかまえた色男を住処の豪邸に連れ込んでは、SEXした後に殺して血を吸う、美人姉妹のお話。 この映画の見所となるのは、やはり、二人の美しき女吸血鬼が男の裸体にむさぼりつくシーンだろう。 しかし、いくらなんでも「それだけ」というのはツラい。 ストーリーの上でのクライマックスと思えるエピソードが、まったくないのだ。 かといって(この作品の元ネタになっているであろう)ジャン・ローランの […]

ジェフリー・ダーマー|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★★ 実在するシリアル・キラー(連続殺人犯)たちの生き様を映画化したシリーズ、「シリアル・キラーズ」の中の一つ。 本作は「ミルウォーキーの怪物」ことジェフリー・ダーマーにスポットを当てている。 ゲイである美青年ジェフリーは男性ばかり17人も殺害した上に、その食生活をほぼ犠牲者の死肉のみで満たしていたという、殺人鬼にして食人鬼である。 食べ切れなかった犠牲者の肉片もクローゼットなどにコレクション […]

ドラキュラ血のしたたり|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ ゴシック・ホラーの名門ハマー・プロダクションが、レ・ファニュの怪奇小説『吸血鬼カーミラ』を映画化した、いわゆる「カーミラ3部作」の最終章となった作品。 舞台となるのは、魔女狩りが横行する村。魔女狩り団(?)のリーダーである、狂信的な老僧グスタフと、悪魔を崇拝する奔放な若者、カールシュタイン伯爵との対立を描く。 冒頭、泣きながら命乞いする哀れな美少女。彼女は十字架を見せ、「魔女」でないことを必至 […]

チャールズ・マンソン|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 実在するシリアル・キラー(連続殺人犯)たちの生き様を映画化したシリーズ「シリアル・キラーズ」の中の一つ。 本作は、60年代アメリカのフラワー文化が生み出した悪夢、チャールズ・マンソンにスポットを当てている。 「マンソン・ファミリー」と呼ばれるカルト集団を率い、フリー・セックスやドラッグ、そして殺人に明け暮れたヒッピー教祖。 また、シンガー・ソングライターとしても才能を発揮し、その実際の歌声 […]

血ぬられた墓標|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 「女吸血鬼」と言えば、ジャン・ローランやジェス・フランコが思い浮かぶ。彼らの手がけた作品の多くは、いちおう「ホラー」とカテゴライズされてはいるが、そのじつ、耽美的なエロス描写を絡めたミステリアスな雰囲気が特長で、恐怖演出にはあまり比重が置かれていない。 しかし、イタリア・ホラー界の巨匠、マリオ・バーバ監督のデビューを飾る『血ぬられた墓標』は、女吸血鬼をフィーチャーしていながら、耽美的要素は皆 […]

ALUCARDA|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ あぁ、とうとう輸入DVDにまで手を出してしまった……。 一時のDVD化再発ラッシュ、そしてヤフオクによって、かなりマニアックな映画を容易に観ることができるようになった昨今。しかし、それでも埋もれたままの作品もある。いっこうにDVD化される気配もなく、ヤフオクの検索やアラートにも引っかからない。そんな作品は、輸入DVD屋に頼るしかないのである。 ここで取り上げる『ALUCARDA』の存在を知った […]

恍惚の悪魔 アカサヴァ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 耽美エロスの巨匠、ジェス・フランコが、カルト女優、ソリダット・ミランダをフィーチャーして作った映画の一つ。ミランダの遺作でもある。 フランコ&ミランダ・コンビによる作品の国内盤DVDは、今のところ、本作を入れて計3作品が発売されている。そのためか、パッケージには「3部作の完結編」とあるけれど、実際には、国内盤が出ていないだけでもっとたくさん作られているし、3作品にはストーリー上の関連性もない。 […]