Posts tagged "3stars"

心霊2|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 『踏切に立つ少女』と『まちぼうけ』の2作品からなる、オムニバス形式のホラー映画。 前作『心霊』に引き続き、本作も「稲川淳二監督作品」と銘打たれているが、実際に稲川自身が手がけたのは『まちぼうけ』だけ。『踏切に立つ少女』の方は、前作にも携わった三宅雅之が監督している。 特筆すべきは『踏切に立つ少女』。なんと、鈴木杏のデビュー作なのだ! 当時、まだ小学生だった鈴木が演じるのは、主人公を逆恨みし […]

心霊|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 夏の怪談でおなじみの稲川潤二だが、映画監督もやっていた。 本作は、初の劇場公開用作品。3話構成のオムニバスとなっている。 第1話『旧日本軍の病院』は、タイトルそのままの内容のオリジナル・ストーリー。 第2話『サーファーの死』は、稲川の怪談レパートリーとして有名なエピソード。 第3話『首なし地蔵』は、ラフカディオ・ハーンの『骨董』にも『幽霊滝の伝説』として収録された不気味な民話をベースにして […]

頭狂23区外 ユルセヌ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 100円ショップの「ダイソー」が、315円(税込)で販売していたホラー映画シリーズの第2作目。 今回の主演は、二宮優。双子の姉妹【真以子】と【唯】を一人二役で演じている。 乾曜子主演の前作『眠レヌ』が学芸会レベルの出来だったので、正直、まったく期待していなかったが、 本作は鑑賞に堪えうる仕上がりとなっている。ストーリー上のつながりもないので、本作から観始めてもOKだ。 * * * 高校教師 […]

バージン・ゾンビ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

ジャン・ローラン(オリジナル)版 ★ ジェス・フランコ(ディレクターズ・カット)版 ★★★ もともとはジェス・フランコの監督作品であったにもかかわらず、後にジャン・ローランが監督したシーンを追加し、まったく別の映画として公開されたという、曰く付きの一品。ややこしい経緯ではあるけれど、耽美ホラーの2大巨匠によるコラボレーションが、期せずして実現してしまったというわけだ。 しかしジャン・ローランが担当 […]

顔泥棒|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 伊藤潤二のホラー漫画を実写化したドラマ。主演は『さくや妖怪伝』の安藤希。 高校を舞台に、自分の顔を狙った相手と同じ形に変化させる妖怪【亀井桃子】の恐怖と悲哀を描く。 安藤が演じたのは、【亀井桃子】に顔を“盗まれた”女子高生と、その変身後の【桃子】。一人二役を見事にこなしている。 また制服や私服はもちろんのこと、シェイクスピアの劇を演じてみたり、体育館でスケ番にボコられてみたり、ピンク色のヘ […]

もうひとりいる|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 経験している最中はそうでもないのに、後で振り返ってみたとき「なんだったんだろう、あれは……?」と思うような出来事がけっこうある。 『もうひとりいる』は、そんな映画だ。 最初観たときは、とくに印象に残らなかった。佐久間信子、世那、川辺千恵子という3人の無名アイドルを主役に据えた短編映画で、彼女たちは劇中でも新人アイドルの役で登場する。 3人とも、初々しいながら一所懸命演技をしていて好感が持て […]

虹色★ロケット|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 千葉県立幕張総合高等学校の自主制作映画サークル「芸術家族ラチメリア・カルムナエ(通称ラチカル)」が、2007年に発表した作品。その“感動的”な内容から、当時はメディアでけっこう話題になっていた。 元々は、授業で流す「道徳ビデオ」として制作されたという。それを学生による短編映画のコンクールに送ってみたところ(規定の上映時間をオーバーしていたために選外となったものの)結果的に一人の審査員の心を […]

踊るやくざ 組長は、わたし!?|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 「ホラー・クイーン」のイメージが強い安藤希だが、 『富江 最終章~禁断の果実~』におけるコケティッシュな演技で垣間見せたように、 コメディエンヌとしての資質も兼ね備えている。 そんな安藤が主演する『踊るやくざ 組長は、わたし!?』は、観客動員数18,500人(2006年当時)を記録したとされる舞台喜劇シリーズの映画版。同シリーズの企画・制作を行なう「株式会社ファイナル・バロック」の代表であ […]

玩具修理者|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 小林泰三の原作小説から、猟奇的な描写の一切を削除し、幻想的なお伽話に仕上げた短編映画。 言うまでもなく、映像化作品を語る際には、原作とは「別物」として評価すべきである。原作にあったものが「ない」としても、作品として完成しているのであれば、それは「不足」にはならない。ましてや約45分という時間の制約があるのだから、原作の内容を余さず再現しようとすれば、消化不良になってしまいかねない。したがっ […]

彗星まち/獣たちの性宴 イクときいっしょ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 河原に捨てられた死体や焼身自殺といったショッキングなシーン、全編に漂うダウナーな雰囲気など、岡崎京子の『リバーズ・エッジ』と多くの接点を持つことで知られるピンク映画。「ピンク映画七福神」の一人、今岡信治のデビュー作でもある。 が、『リバーズ・エッジ』のような瑞々しさや緊張感はまるでない。とにかく、登場人物が揃いも揃って貧乏臭いのである。ヒロインがワキガの映画なんて観たことありますか? また […]

ゴーストシステム|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 人間は、死んだらどうなるのか。死後の世界は、実在するのか。 ――この問いかけは、恐怖を掻き立てると同時に、どこかロマンチックな響きを帯びている。青臭いとはわかっていても、つい惹きつけられてしまうテーマの一つであり、ホラー映画を生み出す原動力となる。 その答えを実証するために開発されたのが「ゴーストシステム」。霊に実体を与え、現世に甦らせる装置である。 物語は、主人公の女子高生の親友である少 […]

吸血処女イレーナ 鮮血のエクスタシー|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 霧の立ち込める森の彼方から、素肌に黒いマントとベルト、ロング・ブーツを身に着けただけの美女が、まっすぐに歩み寄ってくる――。 豊かな黒髪にグラマーな肢体、濃厚なアンダーヘア、そしてアンニュイな表情が色気を醸し出すこの女性こそ、本作のヒロインである女吸血鬼【イレーナ】だ。 『ヴァンピロス・レスボス』と対にして語られる、ジェス・フランコ監督の女吸血鬼映画。『ヴァンピロス・レスボス』でタイトルど […]