Posts tagged "アイドル"

精霊のささやき|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ パッケージの宣伝文によると、監督の植岡喜晴は《幻想映画だけを撮り続けて来た映像作家》で、この『精霊のささやき』は、彼にとって《初の劇場用作品》なのだそうな。 そんな奇特な人がいることも知らなかったし、そんな映画があることも知らなかった。 近所の古いレンタル・ビデオ屋ではじめて目にしたのである。昨今の、即物的なスプラッター・ホラーやゾンビ物ばかりがもてはやされる風潮に、すっかり嫌気がさしていた私 […]

押切 劇場版|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ パラレル・ワールドを題材にしたSFホラーで、いちおう伊藤潤二の漫画を原作としている。読んでいないので比較できないが、少なくともこの映画版に『富江』や『うずまき』のような猟奇色はない。 一つ言えるのは、もし伊藤潤二原作という前提がなければ、こんなに古臭くて退屈な作品が世に出ることはなかっただろう、ということである。 「押切」とは、主人公の高校生の名字。もう一つの世界に住む自分が、この世界にやって […]

花とアリス|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★   とにかく、ムダの多い映画。要領のいい監督が撮れば90分以内にまとまりそうな話を、なんと2時間以上もかけてダラダラやっている。 思いついたアイディアに愛着があるのはわかるけれど、それらを吟味せずに全部ぶちこんだものだがら、ストーリーの流れが冗漫きわまりない。 たとえば、【徹子】が離婚した父親と会うエピソードなんて、明らかに蛇足だ。【雅志】とのデートの後でトコロテンを食べるシーンの […]

堀北真希×黒木メイサ『きみのゆびさき』|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★★ 2006年から2007年にかけて、堀北真希と黒木メイサをフィーチャーした作品が複数の媒体で制作・発表された。共に同い年で、同じ芸能プロダクション(スウィートパワー)に所属する二人だが、清純派の堀北にセクシー系の黒木という正反対のキャラクターがもたらすコントラストがセールス・ポイントとなっていた。 2007年4月に発売されたDVD『きみのゆびさき』は、『tokyo.sora』『好きだ、』で […]

2001|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★★★ アップリンクから発売されている手塚眞監督『実験映画』のDVDには、映像特典として監督が過去に手がけた短編映画が収められていた。『2001』はその中の一つ。 21世紀最初の年である「2001年」の空気を、白黒写真のアニメーションで表現した作品。 ポスト・ロック調のメカニカルな音楽に乗せて、無人のビル街にたたずむ橋本麗香を映す。 手塚作品の『白痴』と『実験映画』でもヒロインを務めた橋本は、 […]

実験映画|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 自称「ビジュアリスト」、手塚眞の短編映画。 同年に発表した『白痴』同様、ヒロインを橋本麗香が演じる。対する主人公は、永瀬正敏。ちなみに、『白痴』で主演した浅野忠信とは、この当時、何かにつけて引き合いに出して語られ、二人まとめて「雰囲気俳優」と呼ばれていた記憶がある。 主人公はカメラマン。ある日、彼の元に映画制作の依頼が舞い込む。 一週間の期日で、朽ち果てた洋館を舞台に、一人の少女をモデルにした […]

邪願霊|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 今や『ノロイ』などですっかり定番となった、擬似ドキュメンタリー形式による和製ホラー映画の元祖とも言える作品。 『ノロイ』に登場する魔物【かぐたば】は、取り憑いた人間の精神をじわりじわりと崩壊させていくタイプだったが、この映画の幽霊は、車を爆発させたり、撮影のセットをメチャクチャにしたりと大暴れだ。 しかし、そんな派手な演出の割には、復讐の動機がたんなる「痴情のもつれ」というのは、あんまりにも貧 […]

いさなのうみ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ いや、ホントわけわからんのよ、この映画。 監督が『いさなのうみ』を通して何を表現したいのか。観客にどんな印象を抱かせたいのか。それがさっぱり見えてこないから、観ている方は終始チンプンカンプンなのだ。 転校生に姿を変え、主人公に言い寄る【鯨の精(?)】は、いったい何が言いたかったんだろう。 《人間が魚を適度に捕ることによって生態系が保たれる》なんてのは、漁業学校の生徒なら授業で習うことで、わざわ […]

生魂(いきすだま)|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ ささやななえこ原作の怪奇漫画の映画化。「ドギー・バッグ」なる男子アイドル・コンビをフィーチャーしている。 だが、和製ホラー映画ファンにとっての見所は、なんといっても三輪姉妹の登場だろう。2話構成となっており、第1話『生霊』には姉のひとみが生霊役で、第2話『空ほ石の』には妹の明日美がヒロイン役で登場する。 しかし、メインはあくまでもドギー・バッグ。彼らの歌が劇中で挿入され、アイドル映画のような作 […]

放郷物語|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 日常の何げない光景ややりとりを、もったいぶったテンポでダラダラと映す。悪い意味で典型的な「日本映画」という印象である。 高校を卒業したばかりの少女とその親友、さらにその恋人が織り成す淡い三角関係がプロットの軸となる。 他にも、音信不通の娘を探すバスの運転手、犬の飼い主を探すホームレス、コンビニ店員、離婚寸前の夫婦など、同じ町に暮らす人々の生活模様を同時進行させて、いわゆる『マグノリア』的な構 […]

グランドレス・サスピション|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ ある朝、学校に行ったら、机の中に生イカが詰まっていたらどう思う? 夜の校舎で、血塗れの女子高生が、生イカを振り回しながら迫ってきたらどう思う? そんな狂ったドラマがコレである。生イカを机に詰めるには、魚屋で大量の生イカを買い、学校まで運ばなくてはならない。重いし、目立つし、だいいちイカ臭い。その苦労を考えると、いじめてるんだかいじめられてるんだかわからなくなる。生イカで人を殴り殺すという発想 […]

GL ~小悪魔たちの誘惑~|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★★ 「GL」とは「Girls Love」の略称。これは和製英語で、少女同士の恋愛関係を描く娯楽向けのフィクション作品を指し、「百合」とも呼ばれる。 主にコミックやライトノベルの分野で用いられる言葉だが、本作は実写映画である。元々はdocomoが運営する携帯サイト「男子禁制 女子限定」にて配信されていた4作品を、オムニバス形式で再編集し、DVD化した。同じシリーズで『BL』『TL』という作品も […]