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田舎育ちの【チャールズ・バレンタイン】という女の子が、都会に出てロック・スターとして成功し、やがて引退するまでを描いた、米国製のアニメーション作品。
日本では、アップリンクがソフトを販売している。
ここではないどこか、これではない何か。
今の私じゃない、もっと私らしい場所、私らしい出来事がきっとあるはず。
そんなことがマッチ1本程のほんのささい な事から始まるとしたら・・・。
このような胸躍る宣伝文に惹かれて購入したが、結論から言うと期待外れであった。
じつのところ、宣伝文から想起されるような希望と感動に満ちた物語ではなかった。むしろスターを夢見た少女の挫折に力点を置く、ビター・エンドな内容だ。
本作の趣向として、どういうわけだかドキュメンタリー形式になっていて、ストーリーは登場人物の独白によって進められる。
近年、映像業界ではモキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)が一つのジャンルとして定着している。が、それはやはり実写に特化した手法であり、アニメとは相性が悪いようだ。初めからフィクションだとわかっていようと、三次元であれば虚実の淡いを楽しむことができるけれど、二次元の表現では文字通りの絵空事としか感じられない。
人気の凋落を悟った【チャールズ】がステージ上で自らを弔うというエンディングも、ただ目の前を通り過ぎていっただけで、40分足らずの短い作品ながら退屈してしまった。
(2023年11月13日 加筆修正)