★★

2ndシングル『Our Song』のカップリングDVDに収録の短編映画では、安倍麻美が一人芝居に挑戦している。

舞台となるのは、革命が勃発した世界。正規軍のメンバーである安倍は、反乱軍のリーダーと、密かに愛し合っていた。彼女は携帯電話を通し、彼に争いの愚かさを訴える。

歌手としての安倍麻美は、音程も声量も不安定で、おせじにもプロのレベルに達しているとは言い難いものの、俳優としてはひそかに期待していた。前作『水の記憶』では、感情を抑制した演技を魅せてくれた安倍だが、今回は怒りや哀しみを実直に表現し、表現力の幅をアピールした。

が、ストーリーの陳腐さは前作と同じだ。戦時中という大仰な設定を用意しておきながら、けっきょくは痴話喧嘩に終始している。時間の制約もあるだろうが、せめて安倍の熱演に応えられるレベルの環境は整えてあげてほしいところであった。