ゴスロリ・ファッションに身を包んだ少女が、大きな剣を振り回して、襲い来る怪物どもを、バッタバッタとなぎ倒していく──スチールを見たかぎりでは、そんなシーンを予想した。

ところが、実際にアクションをするのは、怪物を演じるJAE(ジャパン・アクション・エンタープライズ)の皆様。

主人公のゴスロリ少女はというと……ただ突っ立ってるだけ(笑)

てっきり剣劇を披露するのかと思いきや、魔法の剣が自ら光を発して相手を攻撃してくれるのだから、何もすることがないのである。アイドルにアクションを仕込む時間がなかったんだろうか?

46分しかないドラマで、あるていど消化不良になるのは仕方がないにせよ、あまりにも設定がイージーすぎる。

なんで主人公が「ウィッチクローズ」の継承者として選ばれたのかとか、そもそも「ウィッチクローズ」とは何なのかとか、私たちは何一つ教えてもらえないのだ。

けっきょくドラマは尻切れトンボに終わる。続編をにおわせてはいるが、ジャンプの打ち切り漫画のような虚しさがある。

気恥ずかしい台詞に、ほのぼのとしたギャグ。そしてエンディングを飾るのは、不安定な音程と声量で歌われる、陳腐なアイドル歌謡。なんだか、20年くらい前の特撮ドラマの再放送を観ているみたいだ。

そう言えば主演の金子愛も、その姉を演じる茉理さやかも、ともに垢抜けない顔立ちだけれど、特撮ファンのノスタルジーをくすぐるにはちょうどいいのかもしれない。