もうタイトルからして察しがつくけれど、今となっては懐かしい『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の便乗モノである。

本家のとおりいちおうドキュメンタリー形式になっていて、女性の超能力者が、幼くして死んだ我が子の霊を追いかける姿を描いている。

また同時に本作は『ほんとにあった!呪いのビデオ』にも便乗している。

画面の端々に、ストーリーとはまったく関係ない幽霊が、わざとらしく映り込むのだ。

『ほん呪』は70巻に及ぶ一大シリーズとなった今でも実録という建前を通しているが、後に劇映画としてシリーズ化される『ブレア・ウィッチ』のほうも、公開当初は本物の怪奇現象を捉えてしまったという触れ込みで話題を呼んでいた。

そこをいくと本作は、奇を衒った演出のせいで見るからに作り物とわかる。モキュメンタリーと劇映画の“いいとこどり”を狙った結果、どちらにも徹しきれず失敗作となった。