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ささやななえこ原作の怪奇漫画の映画化。「ドギー・バッグ」なる男子アイドル・コンビをフィーチャーしている。
だが、和製ホラー映画ファンにとっての見所は、なんといっても三輪姉妹の登場だろう。2話構成となっており、第1話『生霊』には姉のひとみが生霊役で、第2話『空ほ石の』には妹の明日美がヒロイン役で登場する。
しかし、メインはあくまでもドギー・バッグ。彼らの歌が劇中で挿入され、アイドル映画のような作りになっている。
ところが、軟弱な癒し系ロック(?)は、ホラーとの相性がすこぶる悪い。彼らの演奏シーンが入るせいで、作品全体に緊張感がなくなってしまい、間延びした印象を与えてしまう。
低予算という事情を考慮したにせよ、演出もセットもショボすぎる。第1話、闇の中で三輪ひとみの生き霊が上空から主人公を手招きするシーンなど、あまりにも陳腐で呆れてしまった。
また第2話では、部屋が異次元に飲み込まれていくという、スケールのでかい趣向がなされているものの、一目見ただけでは何が起こっているのかすらわからないほど稚拙である。
「ホラー・クイーン」と名高い三輪ひとみも、本作では、なぜか頭の大きさが際だち、古風なセーラー服がまったく似合わない。
とは言え、デビュー作の学園SFドラマ『ねらわれた学園』では、そういう印象は受けなかったので、これはひとえに、スタイリストのセンスのなさが要因だろう。
その一方で、明日美はじゅうぶんに魅力を出せていた。アイドルらしい作り笑いよりも、わざと眉間に皺を寄せたりする表情のほうが愛らしく見える。
なお本作の監督は、かつて和製スプラッター・ホラーの佳作『死霊の罠』を手がけた池田敏春だが、当時の冴えはまるで感じられない。ついでに言うと、スプラッター描写もない。
強いて挙げるなら、『死霊の罠』ではわざわざAV女優を起用し、むりやり濡れ場を作り出していたが、本作でも主人公の夢の中で三輪ひとみがフェラチオするという、悪趣味な演出がなされている。