富江最終章考

富江最終章考:究極の悪(3)|柘榴ノ杜

翌朝、【和彦】から事の真相を告げられた【登美恵】は、いてもたってもいられずに川に向かう。 【富江】は、生首だけの姿になっても、まだ生きていた。 廃屋の中で、【富江】を育てる【登美恵】。しかし、たまたま付近を通りかかったイジメっ子3人組の一人に見つかってしまう。 【登美恵】は、【富江】をバッグに詰めて都会に出た。 しかし、しょせんは学生の身。行き当たりばったりの逃避行が、いつまでも続くはずもなかった […]

富江最終章考:究極の悪(2)|柘榴ノ杜

郊外の町に、高校生の娘と二人で暮らす中年の工員【和彦】。 ある日、彼の前に、若かりしころ憧れていた美少女【富江】が、その当時のままの姿で現れる。 かつて内気な【和彦】は、【富江】に片想いをしていたが、想いを打ち明けられないまま、親友に取られてしまった。 しかし、その親友は謎の自殺を遂げ、【富江】も失踪してしまう。 それでも、【和彦】は【富江】への想いを捨てきれず、実の娘に「登美恵(とみえ)」という […]

富江最終章考:究極の悪(1)柘榴ノ杜

「ホラー映画」というジャンルは、つくづく窮屈だなと痛感する。 怖いか、怖くないか。そんな一面的な基準だけで、作品の存在価値が決定されてしまう。 ストイックに「ホラー」を追求した作品が悪いとは言わない。ホラー映画に手を伸ばす人の多くは、遊園地のお化け屋敷に入るのと同じ感覚なのだろうから。 しかし、「ホラー」を描いた映画が、かならずしも字義通りの《怖い映画》になるとはかぎらない。 ホラーという概念の解 […]

富江最終章考:まえがき|柘榴ノ杜

私は、この『富江最終章考』を通して、『富江 最終章 ~禁断の果実~』という映画の魅力を語っていきたいと思う。 しかし、ただ作品の内容を言及することだけに終始するつもりはない。 この映画に対してなされてきた、数々の(見当はずれな)批評は、「ホラー映画」と呼ばれるジャンル、ならびに「原作付きの映画作品」を論じるにあたって、重要な問題を多く孕んでいると考えるのだ。 今更説明するまでもないだろうが、『富江 […]