Posts tagged "カルト"

ノストラダムス 戦慄の啓示|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 幸福の科学が、宣伝のために作ったスペクタクル映画。 タイトルに「ノストラダムス」と冠しているけれど、実際、ノストラダムスはただ狂言回しを務めるだけで、ストーリーにはまったく絡んでこない。有名な預言詩すら出てこないのだから、まさに羊頭狗肉である。 天国での退屈な会話劇から、人間社会を舞台にした陳腐な寸劇をはさみ、ポール・シフト(地軸移動)の脅威を描くクライマックスへと突入する構成。 この映画を […]

ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 監督は「J・A・レイザー」となっているけれど、その正体がジャン・ローランだというのは周知の通り。 当初はジェス・フランコが務める予定だったが、突如行方不明になってしまったため、ローランにお鉢が回ってきたというのも、有名な話だ。ちなみに、フランコが監督した『バージン・ゾンビ』という作品に後からゾンビの登場シーンが追加された際、その部分の監督を手がけたのもローランである。 『ナチス・ゾンビ』と『 […]

バージン・ゾンビ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

ジャン・ローラン(オリジナル)版 ★ ジェス・フランコ(ディレクターズ・カット)版 ★★★ もともとはジェス・フランコの監督作品であったにもかかわらず、後にジャン・ローランが監督したシーンを追加し、まったく別の映画として公開されたという、曰く付きの一品。ややこしい経緯ではあるけれど、耽美ホラーの2大巨匠によるコラボレーションが、期せずして実現してしまったというわけだ。 しかしジャン・ローランが担当 […]

オルガン|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 日本のアングラ劇団「オルガンヴィトー」が自主制作したスプラッター映画。 ここでの「オルガン」とは楽器のことではなく《臓器》を意味する(ついでに「オルガンヴィトー」で《五臓六腑》となる)。 《人体破壊》をテーマにした、陰惨で救いのない物語だ。 臓器売買の現場に潜入した刑事が、犯罪グループに拉致監禁された。 主人公はその拉致された刑事の上司で、刑事の兄とともに犯罪グループを追いつめていくという、サ […]

秘蜜の花園/ロリータ・バイブ責め|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★   陰惨かつアヴァンギャルドな作風で知られるピンク映画監督、佐藤寿保の初期代表作。 主人公は、バイブレーターでしか興奮を得られない、孤独な非行少女。 彼女と、コンテナに女を連れ込んではバイブレーターで犯した挙げ句に毒殺する、インポテンツのサディストとの歪んだ愛情を軸に、ストーリーは展開していく。 しかし実際は、変態男との交流よりも、むしろ親友の少女とのやりとりが面白い。彼女が主人公 […]

白昼の幻想|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 興味本位に手を出したLSDによって、現実と幻覚の狭間に陥ってしまった、ある若い映画監督の一夜を描く。 読んで字のとおり「映画」とは映像表現に特化したメディアである。よって通常、本作のような内容の作品は、「幻覚」の描写に注力することになる。 ところが監督のロジャー・コーマンは、何を考えたのか、「現実」の描写に重点を置いてしまった。ラリった主人公が夜の町をフラフラと彷徨うさまを、ただダラダラと撮っ […]

ダーククリスタル|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ この【ジェン】という妖精(?)は、おそらく映画史上もっとも情けない主人公だろう。味方が敵に襲われても、ただヒョコヒョコ逃げ回るだけ。碇シンジ君だって、いちおうエヴァに乗って戦うのに。 同じ種族であるはずのヒロイン【キーラ】は、歌声で動物を操ったり、羽根を広げて飛んだりできるのに、【ジェン】には何の取り柄もない。そんなわけだから、勇敢で行動力のある【キーラ】に、終始リードされっぱなしである。 ス […]

ALUCARDA|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ あぁ、とうとう輸入DVDにまで手を出してしまった……。 一時のDVD化再発ラッシュ、そしてヤフオクによって、かなりマニアックな映画を容易に観ることができるようになった昨今。しかし、それでも埋もれたままの作品もある。いっこうにDVD化される気配もなく、ヤフオクの検索やアラートにも引っかからない。そんな作品は、輸入DVD屋に頼るしかないのである。 ここで取り上げる『ALUCARDA』の存在を知った […]

恍惚の悪魔 アカサヴァ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 耽美エロスの巨匠、ジェス・フランコが、カルト女優、ソリダット・ミランダをフィーチャーして作った映画の一つ。ミランダの遺作でもある。 フランコ&ミランダ・コンビによる作品の国内盤DVDは、今のところ、本作を入れて計3作品が発売されている。そのためか、パッケージには「3部作の完結編」とあるけれど、実際には、国内盤が出ていないだけでもっとたくさん作られているし、3作品にはストーリー上の関連性もない。 […]