富江最終章考:ロリータとレズビアン(1)|柘榴ノ杜
伊藤潤二の人気ホラー漫画を実写化した『富江』シリーズは、1999年にスタートして以来、それぞれ別の監督が別の役者を使って制作し、どれもが独立した物語となっていた。2005年に同時上映という形で発表された『富江 THE BEGINNING』と『富江 revenge』は、両者ともシリーズ一作目を担当した及川中が監督を手がけたが、これらとて配役は一新されている。 『富江』シリーズの4作目(テレビ版を含め […]
富江最終章考:究極の悪(5)|柘榴ノ杜
やがて意を決した【登美恵】は、自らもシャベルを持って応戦する。 こうして、二人の決闘が始まった。 「私からは逃げられない――」 「いまさら初恋をやり直すなんて、バカじゃないの! いったい、何しに来たの?」 「あなた、素直じゃないのね――ほんとは私のことが羨ましいんでしょ? 私は綺麗で、死なない。みんなが望んでることなの。あんたはどうなの?卑屈に生きて年を取って醜くなって、誰にも相手にされなくなって […]
富江最終章考:究極の悪(4)|柘榴ノ杜
さて、【富江】は自ら仕組んだ「ゲーム」に負けたのだろうか? 否、である。 【和彦】と【登美恵】にとって、ゲームの「勝利」は、【富江】を殺すことではない。 【富江】への未練を断ち切り、彼女の存在を人生から締め出すこと。 早い話が、富江に「出ていけ!」と言うことである。 しかし彼らは二人とも、愛する【富江】を自らの手で殺してしまう。 どっちにせよ、「究極の悪」を実行するはめになったのだ。 * * * […]
富江最終章考:究極の悪(3)|柘榴ノ杜
翌朝、【和彦】から事の真相を告げられた【登美恵】は、いてもたってもいられずに川に向かう。 【富江】は、生首だけの姿になっても、まだ生きていた。 廃屋の中で、【富江】を育てる【登美恵】。しかし、たまたま付近を通りかかったイジメっ子3人組の一人に見つかってしまう。 【登美恵】は、【富江】をバッグに詰めて都会に出た。 しかし、しょせんは学生の身。行き当たりばったりの逃避行が、いつまでも続くはずもなかった […]
富江最終章考:究極の悪(2)|柘榴ノ杜
郊外の町に、高校生の娘と二人で暮らす中年の工員【和彦】。 ある日、彼の前に、若かりしころ憧れていた美少女【富江】が、その当時のままの姿で現れる。 かつて内気な【和彦】は、【富江】に片想いをしていたが、想いを打ち明けられないまま、親友に取られてしまった。 しかし、その親友は謎の自殺を遂げ、【富江】も失踪してしまう。 それでも、【和彦】は【富江】への想いを捨てきれず、実の娘に「登美恵(とみえ)」という […]
富江最終章考:究極の悪(1)柘榴ノ杜
「ホラー映画」というジャンルは、つくづく窮屈だなと痛感する。 怖いか、怖くないか。そんな一面的な基準だけで、作品の存在価値が決定されてしまう。 ストイックに「ホラー」を追求した作品が悪いとは言わない。ホラー映画に手を伸ばす人の多くは、遊園地のお化け屋敷に入るのと同じ感覚なのだろうから。 しかし、「ホラー」を描いた映画が、かならずしも字義通りの《怖い映画》になるとはかぎらない。 ホラーという概念の解 […]
富江最終章考:まえがき|柘榴ノ杜
私は、この『富江最終章考』を通して、『富江 最終章 ~禁断の果実~』という映画の魅力を語っていきたいと思う。 しかし、ただ作品の内容を言及することだけに終始するつもりはない。 この映画に対してなされてきた、数々の(見当はずれな)批評は、「ホラー映画」と呼ばれるジャンル、ならびに「原作付きの映画作品」を論じるにあたって、重要な問題を多く孕んでいると考えるのだ。 今更説明するまでもないだろうが、『富江 […]
