★★

なんとも、もったいない作品である。

原作の美少女ゲームをプレイしたことはないけれど、単純に「青春映画」として、本作はじつによく出来ている。

嵐の中、主人公の冴えない少年(もちろん童貞である)が引き返して、バイト仲間の美少女たちと海の家を守るクライマックスには、不覚にも涙腺が緩んだ。

が、原作ユーザーの心理を勝手に代弁するかのような、ロリコン丸出しの気色悪いモノローグが、ひと夏の男女の爽快な友情に水を差す。しかも、それがわざとらしく頻繁に入る。

「女の子っていいなぁ」などと、劇中の主人公にいちいち“語らせる”必要はない。観客の一人一人が、各々の心の中で異口同音につぶやけばいいことだ。