Posts tagged "邦画"

生魂(いきすだま)|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ ささやななえこ原作の怪奇漫画の映画化。「ドギー・バッグ」なる男子アイドル・コンビをフィーチャーしている。 だが、和製ホラー映画ファンにとっての見所は、なんといっても三輪姉妹の登場だろう。2話構成となっており、第1話『生霊』には姉のひとみが生霊役で、第2話『空ほ石の』には妹の明日美がヒロイン役で登場する。 しかし、メインはあくまでもドギー・バッグ。彼らの歌が劇中で挿入され、アイドル映画のような作 […]

放郷物語|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 日常の何げない光景ややりとりを、もったいぶったテンポでダラダラと映す。悪い意味で典型的な「日本映画」という印象である。 高校を卒業したばかりの少女とその親友、さらにその恋人が織り成す淡い三角関係がプロットの軸となる。 他にも、音信不通の娘を探すバスの運転手、犬の飼い主を探すホームレス、コンビニ店員、離婚寸前の夫婦など、同じ町に暮らす人々の生活模様を同時進行させて、いわゆる『マグノリア』的な構 […]

蛇女 ZOMBIE SNAKE|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 木漏れ日の差す路地裏で、ランドセルを背負った小学生が、幽霊のような女と見つめ合っている。 ──『蛇女』は、こんな謎めいた光景で始まり、そして終わる。 この物語は、彷徨う女の亡霊に、運悪く捉えられてしまった少年が見せられた白昼夢なのだ。 「蛇女」というタイトルから、おのずと日本古来の怪談を連想する。げんに、アパートや研究室など、この物語の主要な舞台となる場所は、どこもかしこも薄暗く、古めかしい。 […]

背徳の館 姉妹いじり|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ ある平凡な男が、美しい吸血鬼の姉妹に魅了され、やがて自らも吸血鬼と化してしまうという、ホラー仕立てのピンク映画。 主人公は、自宅の向かいにあるロフトに姉妹が引っ越してきたことから、彼女たちと知り合うことになる。 生活臭の感じられない、ロフトの無機的な質感。SEXをあえて直接撮らず、近くに置いてあるサングラスに映った姿のほうを撮るといった、凝ったカメラ・ワーク。吸血鬼というオドロオドロしい題材 […]

グランドレス・サスピション|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ ある朝、学校に行ったら、机の中に生イカが詰まっていたらどう思う? 夜の校舎で、血塗れの女子高生が、生イカを振り回しながら迫ってきたらどう思う? そんな狂ったドラマがコレである。生イカを机に詰めるには、魚屋で大量の生イカを買い、学校まで運ばなくてはならない。重いし、目立つし、だいいちイカ臭い。その苦労を考えると、いじめてるんだかいじめられてるんだかわからなくなる。生イカで人を殴り殺すという発想 […]

GL ~小悪魔たちの誘惑~|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★★ 「GL」とは「Girls Love」の略称。これは和製英語で、少女同士の恋愛関係を描く娯楽向けのフィクション作品を指し、「百合」とも呼ばれる。 主にコミックやライトノベルの分野で用いられる言葉だが、本作は実写映画である。元々はdocomoが運営する携帯サイト「男子禁制 女子限定」にて配信されていた4作品を、オムニバス形式で再編集し、DVD化した。同じシリーズで『BL』『TL』という作品も […]

ゴーストシステム|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 人間は、死んだらどうなるのか。死後の世界は、実在するのか。 ――この問いかけは、恐怖を掻き立てると同時に、どこかロマンチックな響きを帯びている。青臭いとはわかっていても、つい惹きつけられてしまうテーマの一つであり、ホラー映画を生み出す原動力となる。 その答えを実証するために開発されたのが「ゴーストシステム」。霊に実体を与え、現世に甦らせる装置である。 物語は、主人公の女子高生の親友である少 […]

不思議体験ゾーン|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 大手チェーン店ではなく、その店独自の価値判断で商品をセレクトしていた、個人経営のレンタルビデオ屋を町中でめっきり見かけなくなって久しい。 今みたいにホラー映画が市民権を得る以前、一部の物好きな暇人たちを相手に作られてきた、有象無象の作品。そういうものを掘り出すことに、私は楽しみを見出していた。 作品の出来は、とくに期待しない。ただ、そこにどんな映像が収められているのかを、確認せずにはいられなか […]

エコエコアザラク R-page/B-page|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 古賀新一の古典ホラー漫画を実写映画化したシリーズの2006年度版は、前編の『R-page』と後編の『B-page』の2部構成となった。 ストーリーが繋がっているため2作品まとめてレビューする。 今回、 主人公の女子高生黒魔術師【黒井ミサ】に扮したのはグラビア・アイドルの近野成美。 妙に渋い声を出すヴィジュアル系シンガーのIZAMがそのリーダーを演じる黒魔術団の一員として、【ミサ】は現代の日 […]

エコエコアザラク(’01年度実写映画版)|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 黒魔術師の女子高生【黒井ミサ】の姿を描く、古賀新一原作のホラー漫画の実写化作品。 実写版『エコエコアザラク』には、テレビ版と劇場版とがある。劇場版の1作目と2作目は、吉野公佳を主演に据えていたが、3作目は、テレビ版の主演である佐伯日菜子を起用した。 そして4作目にあたる本作では、主演を加藤夏希に替え、まったく新しい世界観で作り直されている。 さて、本作を「ホラー映画」とカテゴライズすることには […]

ドラッグレス|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ ある若い女性の不審な死をきっかけに、テレビのドキュメンタリー番組のスタッフがカルト集団に潜入するという筋書きのモキュメンタリー(擬似ドキュメンタリー)。ちなみに脚本の小中千昭は、それ以前にも『邪願霊』というモキュメンタリー作品を手がけている。 カルトのリーダーは会員に対して、非合法な薬物を用いることなく、簡単な手術を施すことによって脳内麻薬「エンドルフィン」を活性化し、至高の快楽を与えるという […]

DOWN TO HELL|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ インディーズ出身のアクション映画監督、北村龍平の処女作品。 といっても、ほとんどの人たちは、『あずみ』や『ゴジラ FINAL WARS』を観た後で、さかのぼって本作に触れることになるのだろう。もちろん僕もそうだ。 主人公の男は、見知らぬチンピラ4人組に拉致され、人里離れた森に連れてこられる。 チンピラたちは、度々こうして人をさらってきては、「人間狩り」を楽しんできた。 「獲物」に与えられた […]