Posts tagged "小説原作"

ヴァンパイアVSゾンビ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 『エイリアンVSプレデター』『ジェイソンVSフレディ』などのブームに便乗して、適当な海外のB級ホラー映画を輸入したものの中の一つ。日本版DVDはジャケットも邦題も、はてはクレジットの表記やタイトルバックに至るまでそれら「VS物」のフォーマットにむりやり合わせて改変されている。 が、原題は『CARMILLA THE LESBIAN VAMPIRE(レズビアン吸血鬼カーミラ)』。元ネタは言わずと知 […]

マリア様がみてる(2004年度TVアニメ版)|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 「百合」の代名詞としてオタク・カルチャー史にその名を刻むライトノベル・シリーズ『マリみて』が、ブームの真っただ中だった頃に制作されたTVアニメ。 ソフトの第1巻は『第1話 波乱の姉妹宣言』『第2話 胸騒ぎの連弾』『第3話 月とロザリオ』の計3話を収録。原作第1巻の内容を三分割して映像化する形となっている。 ミッション系のお嬢様学校という浮世離れした原作のシチュエーションは、ともすれば敷居の高い […]

マリア様がみてる(2010年度実写映画版)|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ ゼロ年代「百合ブーム」の嚆矢となった、今野緒雪原作のライトノベル・シリーズの第1巻を実写映画化。 あらためて説明すると、「百合」とは女性同士の恋愛をテーマにしたマンガなどのフィクション作品のことで、「ガールズ・ラブ(GL)」とも呼ばれる。男性同士の恋愛を描く「ボーイズ・ラブ(BL)」と対にして用いられる言葉だが、今回の実写版『マリみて』の監督は、過去にそのものズバリ『BOYS LOVE』とい […]

藪の中|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 黒沢映画の原作としても有名な芥川龍之介『藪の中』は、人間の記憶や主観が、いかに都合良く捻じ曲げられるかを物語る古典文学である。 とはいえ、けっきょくのところ読者の記憶にもっとも印象強く残るのは、《愛する妻を目の前でレイプされる》という、悲惨きわまりないシチュエーションではないだろうか。 だとしたら『藪の中』を「ポルノ小説」として解釈したとしてもおかしくはない。おそらくこの映画版はそんな発想から […]

玩具修理者|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 小林泰三の原作小説から、猟奇的な描写の一切を削除し、幻想的なお伽話に仕上げた短編映画。 言うまでもなく、映像化作品を語る際には、原作とは「別物」として評価すべきである。原作にあったものが「ない」としても、作品として完成しているのであれば、それは「不足」にはならない。ましてや約45分という時間の制約があるのだから、原作の内容を余さず再現しようとすれば、消化不良になってしまいかねない。したがっ […]