Posts tagged "ゴシック"

HIDE×TUSK『Seth et Holth(セス・エ・ホルス)』|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ Xがいわゆる「ヴィジュアル系」の先駆者とされているのは、その奇抜なファッションや音楽性が後続バンドに多大な影響を及ぼしただけでなく、彼ら自身の手で新人を発掘・育成してきたという実績にある。 リーダーのYOSHIKIが社長を務めたインディー・レーベル「エクスタシー・レコード」からは、LUNA SEA、LADIES ROOM、東京ヤンキース、YOUTHQUAKE、GLAYなど後にシーンの顔役となる […]

バージン・ゾンビ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

ジャン・ローラン(オリジナル)版 ★ ジェス・フランコ(ディレクターズ・カット)版 ★★★ もともとはジェス・フランコの監督作品であったにもかかわらず、後にジャン・ローランが監督したシーンを追加し、まったく別の映画として公開されたという、曰く付きの一品。ややこしい経緯ではあるけれど、耽美ホラーの2大巨匠によるコラボレーションが、期せずして実現してしまったというわけだ。 しかしジャン・ローランが担当 […]

ゾンパイア|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 封印されていた吸血鬼の女王が眠りから覚め、孤島の小さな村を恐怖に陥れる。 古めかしい小屋の質感など、寂れた孤島の殺伐とした空気を演出することに成功している。終始、やるせない雰囲気の中で、気怠く展開していく物語だ。 吸血鬼の女王を演じる女優は、クールな美貌が気品を放っており、ハマり役。 しかし、なにせゾンビも“兼任”しているものだから(つまりゾンビとバンパイアで「ゾンパイア」)、セリフがまった […]

下弦の月|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 矢沢あいの原作コミックにもL’Arc〜en〜Cielにもまったく思い入れのない私が、映画版『下弦(かげん)の月』をわざわざ劇場まで観に行ったのは、邦画にしては珍しく、耽美幻想的なビジュアルを売りにしていたからだ。ゴス・ファッションに身を包んだ栗山千明を一目見たかったというのもある。 が、その期待は、もろくも打ち砕かれた。余韻に浸りながら帰りたいと思ったため、わざわざ夜の回を選んで観 […]

イザベルの呪い|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 魔女狩り伝説をモチーフに、エログロ描写を加えたB級ホラー。そう聞いただけで食指が動いてしまうマニアは少なくないはず。 じじつ魔女の処刑や黒魔術のシーンはムードたっぷりで、安っぽい仕上がりながら、なかなかの出来映えだ。 しかし、キャラクターの設定があまりにもデタラメである。 300年前、神父の妻でありながら、下男と不義密通したことにより、「魔女」として火炙りにされた女。下男は彼女を蘇らせるため、 […]

呪われたレイプ魔|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ フランスの耽美映像作家ジャン・ローランは、未熟ながらも彼以外には作りえない、ユニークな作風で知られている。 『呪われたレイプ魔』もその一つ。 悪党どもにレイプされた挙げ句、殺された仲良し女の子二人組が、悪魔に肉体を捧げることで現世に復活し、復讐を試みる――こうして粗筋を書いてるだけで、なんだかゾクゾクしてくる。 しかし冒頭の、悪党どものキャラクター説明なんて、明らかに不要だ。 他にも、悪党ど […]

コゼットの肖像|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 骨董屋でアルバイトする画学生が、「呪われし器物」に宿る美少女【コゼット】の亡霊に苛まれる――という筋書きのOVA作品(全3話)。 筋書きからすると、地味な内容を想像する。しかし、それだけだとイマドキのホラー・ファンには刺激不足だと考えたのか、豪華な見せ場が盛り込んである。 苦悩する主人公の心象風景を、あたかも魔界を思わせる壮大なスケールで描く。デーモンと化した主人公が、【コゼット】の断罪によ […]

ドラキュラ血のしたたり|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ ゴシック・ホラーの名門ハマー・プロダクションが、レ・ファニュの怪奇小説『吸血鬼カーミラ』を映画化した、いわゆる「カーミラ3部作」の最終章となった作品。 舞台となるのは、魔女狩りが横行する村。魔女狩り団(?)のリーダーである、狂信的な老僧グスタフと、悪魔を崇拝する奔放な若者、カールシュタイン伯爵との対立を描く。 冒頭、泣きながら命乞いする哀れな美少女。彼女は十字架を見せ、「魔女」でないことを必至 […]

血ぬられた墓標|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 「女吸血鬼」と言えば、ジャン・ローランやジェス・フランコが思い浮かぶ。彼らの手がけた作品の多くは、いちおう「ホラー」とカテゴライズされてはいるが、そのじつ、耽美的なエロス描写を絡めたミステリアスな雰囲気が特長で、恐怖演出にはあまり比重が置かれていない。 しかし、イタリア・ホラー界の巨匠、マリオ・バーバ監督のデビューを飾る『血ぬられた墓標』は、女吸血鬼をフィーチャーしていながら、耽美的要素は皆 […]

BALZAC『Marchen aus dem horrorwald』|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 日本のホラー・パンク・バンド、BALZAC(バルザック)のDVD付きシングル『D.A.R.K』に収録された短編映画。 バンドのイメージ・キャラクターである【紙袋男】を主人公にした、無声映画調のゴシック・ホラーとなっている。 BALZACがヨーロッパ・ツアーを行なった際に訪れた、ドイツの古城が舞台。 スタッフには実在したシリアル・キラー(連続殺人犯)の名前が宛われているが、実際に監督を務めたの […]