Posts tagged "邦画"

ノストラダムス 戦慄の啓示|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ 幸福の科学が、宣伝のために作ったスペクタクル映画。 タイトルに「ノストラダムス」と冠しているけれど、実際、ノストラダムスはただ狂言回しを務めるだけで、ストーリーにはまったく絡んでこない。有名な預言詩すら出てこないのだから、まさに羊頭狗肉である。 天国での退屈な会話劇から、人間社会を舞台にした陳腐な寸劇をはさみ、ポール・シフト(地軸移動)の脅威を描くクライマックスへと突入する構成。 この映画を […]

蠢く森 プライマル・フィアー・プロジェクト|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ もうタイトルからして察しがつくけれど、今となっては懐かしい『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の便乗モノである。 本家のとおりいちおうドキュメンタリー形式になっていて、女性の超能力者が、幼くして死んだ我が子の霊を追いかける姿を描いている。 また同時に本作は『ほんとにあった!呪いのビデオ』にも便乗している。 画面の端々に、ストーリーとはまったく関係ない幽霊が、わざとらしく映り込むのだ。 『ほん呪』 […]

顔泥棒|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 伊藤潤二のホラー漫画を実写化したドラマ。主演は『さくや妖怪伝』の安藤希。 高校を舞台に、自分の顔を狙った相手と同じ形に変化させる妖怪【亀井桃子】の恐怖と悲哀を描く。 安藤が演じたのは、【亀井桃子】に顔を“盗まれた”女子高生と、その変身後の【桃子】。一人二役を見事にこなしている。 また制服や私服はもちろんのこと、シェイクスピアの劇を演じてみたり、体育館でスケ番にボコられてみたり、ピンク色のヘ […]

集団殺人クラブ 最後の殺戮|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 不死の殺人鬼【タケゾウ】が、女子高生たちを血祭りに上げていく。スプラッター・ホラー・シリーズの完結編。 超能力を持つ少女【ミサト】と、その幼なじみで麻薬売買に手を染める不良少女【カオリ】。【ミサト】は【カオリ】を悪の道から救い出そうとするが、裏切り者呼ばわりされた上、【カオリ】の仲間たちに輪姦されそうになる。 泣き叫ぶ【ミサト】を、冷ややかに見下す【カオリ】。そこへ突如、【タケゾウ】が登場し、 […]

ラバーズ・ラヴァー|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ いわゆる「サイバーパンク」ってやつですか。セットが凝っているぶん、役者の力量不足が際立つ。金切り声でセリフを捲くし立てれば「狂気」が表現できると勘違いした、三流のアングラ劇団みたいなノリに終始イライラ。 また、このテの作品の常として、ストーリーも設定もチンプンかんぷん。非人道的な実験によってムリヤリ進化させられた人間が、いったいどういう能力を得たのか。そして件の組織は、それを利用して何をやろう […]

もうひとりいる|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 経験している最中はそうでもないのに、後で振り返ってみたとき「なんだったんだろう、あれは……?」と思うような出来事がけっこうある。 『もうひとりいる』は、そんな映画だ。 最初観たときは、とくに印象に残らなかった。佐久間信子、世那、川辺千恵子という3人の無名アイドルを主役に据えた短編映画で、彼女たちは劇中でも新人アイドルの役で登場する。 3人とも、初々しいながら一所懸命演技をしていて好感が持て […]

萌の朱雀|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 山奥の農村に暮らす一家が、亭主の自殺をきっかけに離散する様を淡々と映し出す。 その亭主を演じる國村隼を除いて、ほとんどのキャストは現地の素人を起用するという、実験的な手法が採られている。 だが、そのせいもあって全体的に台詞がぼそぼそと聞き取りづらく、劇中の人間関係はおろか、今、画面で何が起こっているのかすら、まるで把握できない。 たとえば、亭主の自殺の原因が、従事していた鉄道トンネル工事の中止 […]

紀雄の部屋|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ プロレス・オタクの主人公【紀雄】と、“不思議ちゃん”の恋人【綾子】の同棲生活をコメディ・タッチで描く、60分弱の短編映画。 短編映画は90分前後の中篇作品とは違ったまとめ方・見せ方をしなければならないが、この映画の場合は、コントの寄せ集めといった感じでストーリーの体をなしていない。 主人公カップルを始めとして、ヘンテコなキャラクターが登場し、ただひたすらヘンテコなことをする。それ以外には何の […]

陰陽師 妖魔討伐姫|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ その美貌と独特の表現力にもかかわらず、安藤希という女優がいまいちマイナーな印象から逃れられなかったのは、一時期、こういう貧乏臭いZ級ホラーに出まくっていたからではないか。いくら役者が仕事を選べないとはいえ、その仕事のせいでかえって負のイメージが助長されるという悪循環。 『陰陽師 安部晴明』と同じく、学研のオカルト雑誌『ムー』が監修しているが、今回はドキュメンタリーではなく、ドラマだ。 従来「陰 […]

マリア様がみてる(2010年度実写映画版)|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★ ゼロ年代「百合ブーム」の嚆矢となった、今野緒雪原作のライトノベル・シリーズの第1巻を実写映画化。 あらためて説明すると、「百合」とは女性同士の恋愛をテーマにしたマンガなどのフィクション作品のことで、「ガールズ・ラブ(GL)」とも呼ばれる。男性同士の恋愛を描く「ボーイズ・ラブ(BL)」と対にして用いられる言葉だが、今回の実写版『マリみて』の監督は、過去にそのものズバリ『BOYS LOVE』とい […]

虹色★ロケット|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 千葉県立幕張総合高等学校の自主制作映画サークル「芸術家族ラチメリア・カルムナエ(通称ラチカル)」が、2007年に発表した作品。その“感動的”な内容から、当時はメディアでけっこう話題になっていた。 元々は、授業で流す「道徳ビデオ」として制作されたという。それを学生による短編映画のコンクールに送ってみたところ(規定の上映時間をオーバーしていたために選外となったものの)結果的に一人の審査員の心を […]

踊るやくざ 組長は、わたし!?|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★★★ 「ホラー・クイーン」のイメージが強い安藤希だが、 『富江 最終章~禁断の果実~』におけるコケティッシュな演技で垣間見せたように、 コメディエンヌとしての資質も兼ね備えている。 そんな安藤が主演する『踊るやくざ 組長は、わたし!?』は、観客動員数18,500人(2006年当時)を記録したとされる舞台喜劇シリーズの映画版。同シリーズの企画・制作を行なう「株式会社ファイナル・バロック」の代表であ […]