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藪の中|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 黒沢映画の原作としても有名な芥川龍之介『藪の中』は、人間の記憶や主観が、いかに都合良く捻じ曲げられるかを物語る古典文学である。 とはいえ、けっきょくのところ読者の記憶にもっとも印象強く残るのは、《愛する妻を目の前でレイプされる》という、悲惨きわまりないシチュエーションではないだろうか。 だとしたら『藪の中』を「ポルノ小説」として解釈したとしてもおかしくはない。おそらくこの映画版はそんな発想から […]

ウィッチクローズ|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ ゴスロリ・ファッションに身を包んだ少女が、大きな剣を振り回して、襲い来る怪物どもを、バッタバッタとなぎ倒していく──スチールを見たかぎりでは、そんなシーンを予想した。 ところが、実際にアクションをするのは、怪物を演じるJAE(ジャパン・アクション・エンタープライズ)の皆様。 主人公のゴスロリ少女はというと……ただ突っ立ってるだけ(笑) てっきり剣劇を披露するのかと思いきや、魔法の剣が自ら光を発 […]

ゾンビドローム|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ この映画は、予告編のナレーションがなかなかの名調子で、ずっと耳にこびりついていた。 皮膚が不気味に膨張し……! 顔面はケロイド状の肉塊と化し……! 体液がとめどなく流れだし……! 頭部が破裂する! ぞんびどろおむ!! 原題の「OZON」とは、劇中に登場するドラッグの名称。 こいつを体内に注入すると、自分の体を思いのままに変形できるようになる。 またそれがこの上ない快楽をともなうものだから、歯止 […]

テック&サーチ・リミテッド|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ このインディーズ映画の主演を務めた石川佳奈は、ついぞ一般的な知名度を得ることはできなかったものの、独特な存在感のある女優で、個人的に一目置いていた。元々はグラビア・アイドルで、ブライダル・モデルとしても活動していたようだけれど、今となってはどこで何をしているのか。 石川はファンタジックなTVドラマ『LAST ALIVE』、スプラッター映画『スワンズソング』など、これまで出演してきた作品では、お […]

知りすぎた少女|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 何年も前に起こったはずの殺人事件が、突如として、主人公の周りで再現される。私の記憶はどうなってしまったの?―― イタリアン・ホラーの巨匠マリオ・バーバらしからぬ、陳腐な心理サスペンス。おまけに、すべての謎は、ストーリーの冒頭で主人公がもらった、マリファナ煙草によってもたらされた幻覚かもしれない……という「夢オチもどき」である。 話にならんわ。 そもそも主人公、「少女」と呼ぶには老けすぎだし。こ […]

押切 劇場版|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ パラレル・ワールドを題材にしたSFホラーで、いちおう伊藤潤二の漫画を原作としている。読んでいないので比較できないが、少なくともこの映画版に『富江』や『うずまき』のような猟奇色はない。 一つ言えるのは、もし伊藤潤二原作という前提がなければ、こんなに古臭くて退屈な作品が世に出ることはなかっただろう、ということである。 「押切」とは、主人公の高校生の名字。もう一つの世界に住む自分が、この世界にやって […]

オルガン|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 日本のアングラ劇団「オルガンヴィトー」が自主制作したスプラッター映画。 ここでの「オルガン」とは楽器のことではなく《臓器》を意味する(ついでに「オルガンヴィトー」で《五臓六腑》となる)。 《人体破壊》をテーマにした、陰惨で救いのない物語だ。 臓器売買の現場に潜入した刑事が、犯罪グループに拉致監禁された。 主人公はその拉致された刑事の上司で、刑事の兄とともに犯罪グループを追いつめていくという、サ […]

下弦の月|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 矢沢あいの原作コミックにもL’Arc〜en〜Cielにもまったく思い入れのない私が、映画版『下弦(かげん)の月』をわざわざ劇場まで観に行ったのは、邦画にしては珍しく、耽美幻想的なビジュアルを売りにしていたからだ。ゴス・ファッションに身を包んだ栗山千明を一目見たかったというのもある。 が、その期待は、もろくも打ち砕かれた。余韻に浸りながら帰りたいと思ったため、わざわざ夜の回を選んで観 […]

白昼の幻想|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 興味本位に手を出したLSDによって、現実と幻覚の狭間に陥ってしまった、ある若い映画監督の一夜を描く。 読んで字のとおり「映画」とは映像表現に特化したメディアである。よって通常、本作のような内容の作品は、「幻覚」の描写に注力することになる。 ところが監督のロジャー・コーマンは、何を考えたのか、「現実」の描写に重点を置いてしまった。ラリった主人公が夜の町をフラフラと彷徨うさまを、ただダラダラと撮っ […]

少女地獄1999|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 救いもユーモアもなく、ひたすら無残(あらゆる意味で)な映像を垂れ流す作品。これに較べたら、いかに『オールナイトロング』シリーズがまっとうな「映画」であるかがよくわかる。なお夢野久作の小説『少女地獄』とは無関係。 主人公は、不幸な女子高生(というわりには年増ですが)。 母親は、いない。夫の暴力に耐えかね、二人の娘を残して蒸発してしまったからだ。 姉は交通事故に遭い、二目と見られぬ姿となったうえ、 […]

すべては夜から生まれる|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ 売れない役者をやっている主人公は、ある日、喫茶店で画家の男と知り合う。 なりゆきから、画家の住むアパートに一泊することになった主人公は、そのとき、画家の恋人と出会った。 客が来ていることを知らない彼女は、全裸で部屋に入ってきたのだが、主人公はその美しい体に心惹かれる。 ある夜、主人公は例の喫茶店で、画家の恋人と再会する。 画家は創作に没頭するあまり、いつも彼女をアパートから追い出してしまうのだ […]

女子高生チェーンソー|評論家を燃やせ!(いいニオイさ)

★ まず、邦題に偽りアリ。たしかにジャケットでは女子高生がチェーンソーを構えているが、実際の映画にそんなシーンは出てこない(ということは、ジャケットにも偽りアリ)。 まぁ、かといって原題の”SCREAM BLOODY MURDER” ではありきたりでインパクトがないからだろうけど。レンタル・ビデオ屋で見かけたら、とりあえず手に取ってみたくなるタイトルではあるから、これはこれ […]